和菓子は日本の四季、日本人の古き良き風習を色濃く映し出したものである。職人の匠の技で最大限に引き出された素材が豊かな味わいを織り成す。単に行事の節目、間食として食べるのではもったいない奥深さを持ち合わせている。その奥深さを知ることが和菓子の伝統を受け継ぐ契機になると考える。

私は和菓子屋でアルバイトをしており、和菓子と触れる機会が多い。季節に応じてウィンドウに並ぶ色彩が移り変わり、春ならば桜餅、道明寺といった温かな色合い、夏になれば、水羊羹や麩饅頭といった涼しげなものに変わり、目でみても季節感があり風情を感じる。和菓子の魅力の一つであろう。

以前女将さんが「人の一生は和菓子で初まり和菓子で終わる」と言っていた。三つ目のおはぎを配ったり、誕生餅を背負ったり、七五三で千歳飴を食べ、お祝いごとでお赤飯を食べ、亡くなってからもお饅頭を配ったり、生菓子を備えたりする。人の一生は和菓子と共にあるといってもおかしくはない。それぞれの節目に決まった和菓子屋を食べるいわれや意味を知るのも非常に面白いものである。

目でみて季節を感じたり、その和菓子を食べるようになった背景を知ることで、小さなフォルムが内に秘めた歴史、文化、伝統を含め、さらに深く和菓子を味わうことができるはずである。和菓子に限らず、当たり前だと思っていることを掘り下げて探求する。その新たな発見が土壌を豊かにし、当たり前の基盤をより強靭に作りあげていくのだと考える。

こもも

投稿者プロフィール

慶應義塾大学
法学部
法学科
学部4年
神奈川県川崎市

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