プリザーブドフラワーから得たこと

断言できることが一つある。私はプリザーブドフラワーが嫌いだ。しかし、多様性の観点から考えると、その存在には賛成である。
そもそも花の魅力とは、鮮やかな色や香りはもちろんのこと、蕾から満開を迎え、しぼんでいく過程だと考える。桜は今や日本人のみならず世界中の人々に愛されているが、あれだけ人々を魅了するのは、一週間足らずで散ってしまう儚さゆえではなかろうか。永遠ではないからこそ、美しい。
一方で、プリザーブドフラワーにはそうした魅力が残らない。「Preserved」は「保存する」という意味である。プリザーブドフラワーが花の美しさを永遠に保存するために作られたのなら、何という皮肉だろう。美しさを保存する試みが、結果として、最大の美点を奪ってしまったのだ。とは言え、プリザーブドフラワーの低コスト化と大量生産を実現させた技術力には敬服する。雑菌の繁殖がなく病院や乳幼児施設に重宝されるなど、プリザーブドフラワーならではの利点も多くある。
多様性は、世界をより創造的な場所にしてくれる歓迎すべきものであり、プリザーブドフラワーは、生花を愛する私では発想しえない概念を教えてくれた。違いが多くの争いを生む現代で、私は、違いを創造の源泉にできるマインドセットを持ち続けていたい。

話題をチェック

ページ上部へ戻る