クリエイターの価値観

先日、ネットを賑わせた騒動があった。
お笑いコンビ「キングコング」の西野さんが、自著である『えんとつ町のプペル』をインターネット上で無料公開する、とブログで語った件についてだ。
西野さんは絵本の発売後、子供の「値段が高くてお小遣いで買えない」という言葉を受け、無料公開に至ったと書いている。
他にも、「お金がないと本も読めないのはおかしい。お金に縛られた生き方とかクソダセー」「金の奴隷解放宣言」などと発言をしている。
この発言がネット上で多くの反響を呼んだ。
まず一つは、西野さんの過激な言葉に反感を覚えた人たちからの非難の声である。
そしてもう一つ。私が取り上げたいのは、「クリエイターの存在価値を揺るがしかねない」という声である。
絵本を作るに当たっては、多くの人たちが関わっている。イラストを担当する人や、話を考える人、出版社など様々だ。
そんな作品を無料公開するということの意味を考えてもらいたい。
日本では、イラストレーターやプログラマーといった、クリエイティブな職業に対する敬意や評価が欠如していると私は考えている。昨近、そういったクリエイター達の報酬が低過ぎるという声が、SNSなどの発展により表に出てきているのだ。
そこにきて、この無料公開騒動である。
価格破壊、という言葉があるが、クリエイターへの評価が低い日本では「あっちは無料なのに何故こっちは金を取るんだ」という声が出ないとは限らないのである。
実際に、SNSには書店で「インターネットで無料なんでしょ?私インターネット使えないから無料で頂戴よ」と迫る消費者が出たという書き込みもあった。
つまり、誰もが見れればいい、安ければいい、ではないのだ。
誰かの勝手な価格破壊が、将来的に業界そのものを衰退、滅ぼしかねないのだ。
私は、今回の西野さんの無料公開には賛同しかねる。
これは、本やイラストで生活している人たちを脅かしかねないことなのだ。
自らの美徳や自己満足のために、業界の未来を奪うことは、誰にも許されないのだと、私は強く主張したい。

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