「悩みいろいろ」から学んだこと

「悩みいろいろ」  著:金子 勝   岩波新書

この書は経済学者、金子勝が朝日新聞の「悩みのるつぼ」で読者の悩み相談への回答を集めたものである。話が細切れで読みやすいので、電車での移動時間の暇つぶしにぴったりだと思ったのと、今年はわたしにとって就活を通じてこれからどんな仕事に就き、人としてどのように生きて行くかを真剣に考える年でもあったのでこの書籍がその参考になればと思い購入に至った。
「悩みいろいろ」というタイトルにもあるように、相談者は10代の高校生から80代の高齢者まで、職業や社会的立場も様々で、共感できるような相談内容もあれば今まで思い至らなかったような悩みまで掲載されていた。今後少子高齢化が進み、希望や目標を持って明るく生きて行くことはますます難しくなるのかもしれない。悩み相談の内容も「孤独死」「第二の人生、どうすれば」「経済学は役に立ちますか?」「お金をストレスなく使えません」など、将来の不透明さから生じる悩みが多く見られた。
筆者は読者の悩みに回答する際に小説や落語、童話などを用い、相談者と同じ目線に立って回答するだけでなく、他の読者にも相談者の悩みを共感させるための道しるべを与えているのが特徴だ。筆者が相談者に共感し、的確に解決策を提案する様子から筆者自身も多くのことに悩んで生きてきた事が窺える。筆者はあとがきで「悩むプロセスこそが人生である」と締めくくっている。確かに生きていれば次々と新しい悩みが生じ、経験を積んだり視野が広がる事によって、または時代の持つ雰囲気によってその悩みも形を変えていく。
私がこの書を読んで筆者から学んだ事は、悩むこと他人に対して共感する力を養い、それが人に親切に接する事ができる基盤になるということである。人は悩み続ける事で人として成長し、より豊かな人生が送れるのではないだろうか。今後、社会に出て多くの壁にぶつかり、多くの悩みと出会うだろうが、何事にも果敢に挑戦して悩み続けていきたいと強く思った。

0kamau

投稿者プロフィール

神田外語大学
外国語学部
中国語専攻
学部4年
東京都

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